【作成必須】90歳までの家計シミュレーション(キャッシュフロー表)ver.1

節約・管理

こんにちは、50歳で早期退職し自由人になった「ゆるっとFIRE50」です。

今回は早期退職を決めた直後に突貫工事で作成した「90歳までの家計シミュレーション(キャッシュフロー表)」のことについてご紹介します。(なぜこのシミュレーションを急いで作ったかについては以下の記事を参照ください)

このシミュレーションは退職に関連した情報が限られた中でかなり急いで作成したので精度という点では高いとは言えませんが、その後のブラッシュアップの基礎としては十分役割を果たしてくれました。

FIRE(Financial Independent, Retire Early)を目指される方には作成必須のアイテムだと思いますが、素人の一事例だと思ってご覧ください。

表の概要

縦の行を「収入」と「支出」の項目、横列を年度にした至って簡単なExcel表です。

横列のスタートは退職直前年度(私の場合は2019年度、50歳)とし、1年毎に年次と年齢が同時に見えるようにしました。(退職タイミングに合わせて3月末締めの年度で作成しましたが、税金のことを考えると12月末締めの記載のほうがよかったかも。ただ途中で変更しても大きな影響はないと思います)

なお退職直前年度の列を作ったのはサラリーマン時代の支出をメモとして記入しておくことで、それよりも増やすのか減らすのかを一目で分かるようにするためです。

また人生100年時代と言われますが、とりあえず自分が90歳になるまでの表としました。

表が完成したら各年度で発生する収入や支出の金額をそれぞれの欄に記入していきました。

そして一番の肝となるのが・・・

翌年度に持ち越せる資産金額=前年度から持ち越した資産金額+当年の収入合計-当年の支出合計

として計算させる点で、この“持ち越し資産金額”の推移、特に90歳時点での残金に注目しました。

2019年度2020年度・・・2029年度・・・2034年度・・・2059年度
年齢50歳51歳60歳65歳90歳
前年度からの持ち越し??
収入合計
 給与・賞与
 ・・・
支出合計
 住宅費
 ・・・
シミュレーション表のイメージ
前年度からの持ち越し

この欄の記入は退職した年度(私の場合は2020年度)からスタートさせました。

金額としては20年間入力し続けていた「資産一覧表」における直近の資産金額をもとに予測した「退職時の総資産額」を記載しました。(退職金ポイントや401K含む)

翌年以降は前述の数式で自動計算させます。

これから収入と支出についてどのようなシミュレーションをしたのかを一部具体的な金額も含めて説明します。(なお我が家は子供がいないので考慮すべきライフイベントがほぼなく、非常にシンプルな設定となっています)

<収入の部>

収入の部の項目としては以下のものを縦の行として作りました。

給与・賞与

辞めてからも会社から貰える「退職月の給与」や最後の「夏の賞与」を前年を参考に“手取り”でざっくり記載。

また退職後は再就職しないと仮定して、退職2年目からは給与・賞与はゼロとしました。

国民年金・厚生年金

毎年誕生日頃に日本年金機構から届く「ねんきん定期便」の記載をベースに、将来受給できるであろう年金額を入力しました。

皆さんご存じかと思いますが「ねんきん定期便」の記載は50歳を境に大きく変わります。

49歳までは「これまでの加入実績に応じた年金額=実際に納付した金額だけをもとに計算した最低この金額は受給できますよという年金額(つまり50歳以降も年金保険料を納付していけばどんどん増える)

50歳以降は「現在の加入条件が60歳まで継続すると仮定した見込額(つまり早期退職などでサラリーマンをやめて厚生年金保険料の納付がなくなるとこの金額は受給できない)」

私は50歳を過ぎた時点で退職後シミュレーションを作成したのですが、確実に受給できる年金額をベースにしないと非常にリスキーだと考えたので、前者の49歳時の「ねんきん定期便」に記載されている最低限の年金額を入力しました。(とりあえず65歳から受給するとして)

また妻の年金受給額も妻の「ねんきん定期便」を参考にざっくりと記載しました。

参考:日本年金機構のホームページより

50歳未満のねんきん定期便の見方

50歳以上のねんきん定期便の見方

配当収入

持株会で購入してきた自社株が比較的高配当でしたので、このまま保有し続け、さらに配当も維持されると仮定して毎年同じ金額(源泉徴収後の手取りで)を記入。

<実際には収入として発生するが退職後の年度には数字を入れなかった項目>

退職金

企業年金基金としての受け取りなど詳細が分からなかったので、この時点では退職金ポイントを退職時に全額受け取ったと仮定して、前述のとおり退職時資産のほうに含めました。

401K

退職時まで投資していた401Kについては受け取りの詳細が分からなかったので、この時点では直近の評価額を退職時資産のほうに含め、シミュレーション上は記載せず。(iDeCoのことも考える余裕なしでした)

<支出の部>

住宅費

退職にあわせて社宅を出なければなりませんが、この時点では転居先が決まっていなかったので、都内の賃貸マンションをイメージして高めの家賃(月20万円)を入力。

とりあえずシミュレーション上は90歳まで同じ家賃としました。

都心を離れればもっと安いところが探せると思いますが、ここはシミュレーションのストレステスト的な意味合いで意図的に年間240万円×40年としました。(この条件で問題なければ持ち家に変更することもできますし)

車関連費(車体、駐車場など)

この時点で車は所有していませんでしたが、地方に住む可能性を考慮して「退職年度から中古車160万円を5年に1回購入する、駐車場や車検などの維持費を年間40万円、80歳を過ぎたら車は手放す」として入力しました。(本当はもっと安い中古車でいいのですが・・・)

交通費・旅行代

車以外の移動にも比較的費用が掛かってしまうような地方に住む可能性も考慮して、旅行代と組み合わせて(クッションにして)年間50万円を計上。

医療費

医療費控除や高額医療制度などがあるものの、夫婦ともに何が起きるか分からないので、二人合計の医療費を50代は年10万円、60代は年20万円、70代以降は年30万円と仮置きしました。

趣味・交際費

当時お金のかかる趣味はほぼなかったですが、退職後に犬を飼う計画などを反映して年間40万円を計上(購入費は別)。また交際費といってもこれまで会社の同僚などとの飲み会くらいでしたのでしたので、趣味費の中で吸収できるとしました。

その他

以下のものについては直近1年の家計簿を見ながらざっくりと同レベルで記載。

  • 食費(外食費含む)・日用品費
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 保険料(生命保険など)
  • 寄付(ユニセフマンスリーサポート)
所得税

退職の年度はゼロとしました。(最後の給与や賞与は、前年度の税率で源泉徴収される+収入の部で手取りの予想額で記載したので逆に退職翌年に還付金があるはずと予測)

退職翌年からは課税所得が200万円程度あるとしてざっくりと税率5%の10万円としました。

(労働からの収入がゼロなのに200万円の課税所得があるというのは矛盾していますし、配当収入も手取りにしているのでその分はダブルカウントになっていることは承知の上で記載)

住民税

ここが退職者を悩ます一番のポイントですね。

住民税は前年(1~12月)の収入をベースに翌年の6月に請求が来ます。サラリーマン時代は会社が勝手に毎月給与から天引きしてくれますが、退職者は自分で1年分(又は4回に分けて)支払わなければなりません!

ここ1年で大きく年収が変わっていなかったら給与明細を見て天引きされている住民税を12倍すればおおよその年額になります。私の場合はかなり高収入をいただいていましたので、退職年分として相当な金額を計上しました。(涙)

その翌年からは所得税同様に課税所得が200万円程度あるとしてざっくりと税率10%の20万円と仮置きしました。

健康保険料(国保)

私の場合最終的に人事の方に勧められるがまま「健康保険の任意継続(2年)」を選択したのですが、シミュレーションを作成した際には何も分かっていませんでした。

とりあえず色々な自治体のホームページを見て国保の保険料の世帯上限額が約80万円と記載されていることを知り、半分の40万円で仮置きしてみました。(課税所得が200万円ならもっと低いはずとは思いつつ)

介護保険料

こちらも色々な自治体のホームページを見て課税所得が200万円なら保険料が世帯10万円くらいとなっていたのでそれを仮置きしました。

国民年金保険料

60歳まで国民年金の保険料納付は続くので年間40万円×二人を記入。(退職年次の厚生年金保険料は天引きされているので未記入)

大まかには上記のとおりです。

もちろん完璧に項目を網羅しているわけではありませんし、前提条件としても以下のようなものが含まれていないことは理解していましたが、恐らくプラスマイナスでマイナスになることはないだろうと考えて盛り込みませんでした。(他にもかなり支出は膨らましてシミュレーションしていますし)

  • 失業保険の給付金
  • インフレリスク(支出の増加)
  • 所有している株や資産の評価額の増減(401Kも含む)
  • 今後の投資による資産の増減
  • 将来の年金受給額の減少(マクロ経済スライド)
  • 加齢による食費・旅行等の減少
  • 要介護になった場合の追加費用 など

また先にも書きましたが、現在労働からの収入をゼロと仮定しているので、体が動くうちであれば月10万くらい稼ぐことができると思うので、それも隠れたプラス要素かもしれません。

シミュレーションの結果は・・・

そして一番大事なシミュレーションの結果は、「90歳時点で2000万円以上の資産が残っている」となり、「今後働いても働かなくても生活の質をそれほど落とすことなく夫婦ともに90歳まではかなりの確率で生きていける」との結論を出しました。

作成から2日間くらいでこの結論にたどり着くことができ、今後の生活に不安がなくなったことから、上司からの退職引き留めにも冷静に対応することができました。(汗)

このシミュレーション結果がなかったら「まあなるようになるさ」なんて言っていられなかったかもしれませんし、色々と調べながら作ったおかげで短期間にマネーリテラシーが高まりました

ただ一方でシミュレーション結果は自分の感覚的な予想よりも低かったというのも事実です。「今こんなに資産を持っているのに・・・」というのが正直な感想でした。やはりサラリーマンとして最後の10年分の収入がないというのは破壊力が強いですね。

これをきっかけに支出見込の精度をアップしなければならないと思ったと同時に、投資・副業の必要性(あと年50万円でも収入があると楽になる)を強く感じた次第です。(Excelをいじってみて収入・支出の前提を変えるだけでかなり結果が動くことも理解できました)

今回ご紹介したver.1以降、以下のようなタイミングでどんどんバージョンアップしています。また機会がありましたら最新ver.のシミュレーションについてもご紹介したいと思います。

  • 退職金の金額や受け取り方の詳細がはっきりした
  • 退職後の生活が安定したことで支出が更にはっきり見えてきた
  • iDeCoやNISAを始めた
  • 高配当株を買い増した など

FIREを目指される方は既にサラリーマン時代を含めた将来のシミュレーション(キャッシュフロー表)を作って、「〇歳頃にFIREできそうだ」「支出を減らさないと定年まで働いても老後が心配だ」「今から副業など“稼ぐ力”を強化しておくことで安泰だ」など方向性の確認をされていると思います。

個人的な意見としては「収入の予測は厳しく、支出の予測は余裕をもって」が作成にあたっての重要なポイントだと思います。是非皆さんも厳しい目で将来予測を行ってみてはどうでしょうか?

ではまた!

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