失業給付を受給しました(ハローワークでの職業相談の実際など)

退職関連

こんにちは、50歳で早期退職した「ゆるっとFIRE50」です。

皆さん、もしかして退職したらハローワークにちょっと行くだけで「失業保険」だか何だかをすぐもらえると思っていませんか?

まず受け取ることができるお金は正式には「雇用保険の失業給付」(さらに正確には基本手当)といいます。

給与明細で「雇用保険料」として天引きされているものがこの制度の源資ですね。

またこの失業給付そんなに簡単にいただけるものではありません。

今回は私の事例をもとに失業給付の実際について紹介したいと思います。

特に最後にはハローワークでの職業相談の質問集も載せていますので参考になれば幸いです。

FIREと失業給付は相容れない?

答えはノーだと思います。FIRE(Financial Independence, Retire Early)とは決して働かないことだけを目指すものではなく、収入が下がってもいいので今よりもやり甲斐のある仕事に乗り換えるというパターン(サイドFIRE、セミリタイア)も含んでいると認識しています。

よって早期退職直後に理想の仕事を探すも、残念ながら見つからない期間に失業給付を受けるということはおかしなことではないと思います。

その一方、理想的な仕事がハローワークだけで見つかるかどうかは別の話で、少しでも早く仕事を探すのであれば民間の就職紹介サイト、転職エージェント、知人のネットワークなどを駆使するのがよいでしょう。

なお、雇用保険の失業給付を受けるためには「失業」状態にあることが最低条件です。

「失業」とは以下の3つがすべて満たされている状態とされています。

  • 積極的に就職しようとする意思があること。
  • いつでも就職できる能力(健康状態・環境など)があること。
  • 積極的に仕事を探しているにもかかわらず、現在職業に就いていないこと。

私自身は今まで働いていた業界のサラリーマンに戻るつもりはありませんでしたが、自分の能力を生かせる仕事、未経験でも遣り甲斐がありそうな仕事などを勤務形態もパートタイムまで広げつつ、条件さえ合えば働きたいと思って求職活動を行いました。

なお、失業給付を受けられない場合の一つとして「自営を始めた時(自営活動(準備開始含む)に専念する場合を含みます。収入の有無を問いません)」というルールがあるため独立・起業を目指す方は注意が必要です。「再就職しようか起業しようか迷っており、求職活動も併せて行っている場合」には受給できる可能性があるようですのでまずはハローワークで確認してみてください。(実際に起業した場合に再就職手当がもらえる制度もありますので)

最終的に175万円(210日分)の失業給付をいただきました

私の場合、実際の給付結果は以下のとおりです。

給付制限: 1か月(本来は3か月)

離職後にハローワークに行けばすぐ給付を受けられるわけではありません。「待期」と言われる7日間に加えて、「自己都合」退職の場合は3か月間は支給対象になりません(「給付制限」と言います)。しかし私の場合偶然にも住居が前年の激甚災害指定された台風の指定地域にあったため給付制限が1か月に短縮されました(特に被害があったわけでもなく、指定の市区群であっただけです)。

給付日数: 210日(150日+60日)

離職理由が「自己都合」で、20年以上の雇用保険の被保険者でしたので、所定給付日数は150日でした。また新型コロナに関連する給付日数の特例に該当したため60日延長されました(誰でも延長になるわけではないので要注意)。最終的に給付対象期間内に再就職できませんでしたので210日分の給付を受けました。

(参考)基本手当の所定給付日数(ハローワークインターネットサービスより)

基本手当日額: 8,330円→8,370円(途中で変更になった)

基本手当日額は「年齢」と「離職時の賃金日額」によって決まります。私の収入は45~59歳の設定上限を超えていたので基本手当日額も上限額となりました。

(参考)基本手当についての中段「支給額」(ハローワークインターネットサービスより)

ということで、結果的にはトータルで約175万円の失業給付をいただいたことになります。

なお離職理由が「会社都合」の場合、「自己都合」と比べて給付制限と給付日数が変わります

  • 給付制限  : 3か月→なし
  • 所定給付日数: 45~59歳、20年以上の雇用保険の被保険者の場合150日→330日

最近大企業でも見られるリストラを背景にした「早期退職募集」の名を借りた「退職勧奨」は、一般的には倒産や解雇と同様の「会社都合」による離職(特定受給資格者)扱いになるそうです(人事部が作成する離職証明書などの「離職理由」の欄が重要ですので要確認)。ちなみに会社の恒常的な制度として存在する早期退職優遇制度や選択定年制などに手挙げした場合は「自己都合」となるとのこと。

失業給付は「4週に2回以上の求職活動」がないと受給できない

失業保険を受給するためは、原則として4週に1度ハローワークに行ってまだ失業状態にあることを認定してもらわなければならず、その「失業認定」にはいくつものルールがあります。(詳細はこちら)。

特に重要なのが前述の失業の定義にあった「積極的に仕事を探しているにもかかわらず」ということを証明しなければならないという点です(つまりぼーっと頭の中だけで働きたいなあと思っていてもダメということ)。

具体的には求職活動の実績が4週に2回以上ある」ということですが、この「求職活動」に認められるものについては以下のような説明がされています。

求職活動の範囲(主なもの)は、次のとおりであり、単なる、ハローワーク、新聞、インターネットなどでの求人情報の閲覧、単なる知人への紹介依頼だけでは、この求職活動の範囲には含まれません。

  1. 求人への応募
  2. ハローワークが行う、職業相談、職業紹介等を受けたこと、各種講習、セミナーの受講など
  3. 許可・届出のある民間機関(民間職業紹介機関、労働者派遣機関)が行う、職業相談、職業紹介等を受けたこと、求職活動方法等を指導するセミナー等の受講など
  4. 公的機関等((独)高齢・障害・求職者雇用支援機構、地方自治体、求人情報提供会社、新聞社等)が実施する職業相談等を受けたこと、各種講習・セミナー、個別相談ができる企業説明会等の受講、参加など
  5. 再就職に資する各種国家試験、検定等の資格試験の受験

どうですか?思ったよりも細かい決め事があることに驚かれた方もいるかもしれません。

また失業給付を不正に受給した場合には、受給額の返還だけでなく更に2倍額の納付(いわゆる3倍返し)を求められるというルールもありますのでご注意を。

ハローワークでの職業相談の実際(質問集)

私の場合は条件面で「1.求人への応募」にたどり着くことが厳しく、「2.ハローワークの窓口での職業相談」を求職活動の実績として報告することが多かったです。

職業相談の流れは・・・

  1. まずハローワークの受付で「職業相談に来ました」と言うと整理券をもらえますので順番を待ちます
  2. 順番が来ると窓口に行き、雇用保険受給資格者証を渡します
  3. 私の経験ではほとんどの場合担当者の方が私の情報をシステムにインプットし、実際に相談が始まる前のこの時点で雇用保険受給資格者証に「〇/〇 職業相談」の印鑑を押してくれました(これで求職活動実績有りの証明になります)
  4. その後、「今日はどのようなご相談ですか?」と聞かれ、こちらから質問・相談を行う

しかし最初は何をどのように相談すればよいのか分からずに困りました。

他のブロガーの方も書かれているとおり、結論としては窓口の方は皆さん親身で優しい方ばかりで何を相談しても、相談が5分で終わったとしても問題ありませんし、怒られません。(笑)

ここでは私の実体験をもとに初歩的なレベルでこんな相談をした、こんな相談をしようと思っていたことなどを質問集の形でご紹介します。皆さんの参考になれば幸いです。

  • ハローワークだけではなくハローワークの出先機関でも職業相談は出来るのか?
  • ハローワーク主催のセミナーの開催の予定は?
  • 求職者マイページ(ハローワークインターネットサービス)の登録の方法が分からない
  • 気になった会社は未経験の業界だが、就職可能か?
  • 有したほうがよい資格というのは実際に持っていないと採用されないのか?
  • 自分のスキルを考えて、職業訓練を受けるべきか?
  • 私の経歴だとどの業界がおすすめか?
  • 新着の求人で、〇〇系(自分の希望)の求人を見せてください
  • ハローワークのHPに掲載されている求人以外に紹介可能の求人はあるか?
  • ハローワークのHPで役所など公的な仕事を絞り込む方法を知りたい
  • フルタイムで働きたいが、正社員か派遣かで迷っている。
  • オンラインで面接できる会社はあるか?
  • コロナ禍でも求人が多い業種は?
  • 求人で月給「〇円~」の「~」というのは初任給から〇円以上の可能性があるのか?
  • この求人の現時点での応募状況は?
  • この求人情報の業務内容が抽象的だが、具体的仕事のイメージは?
  • この会社の残業や休日出勤の実際は?
  • この会社の福利厚生は具体的に分かりますか?
  • この会社を過去に受けた人は、どんな質問をされましたか?
  • この会社に過去採用された人の定着率はどのくらいですか?
  • 同じ会社の求人がたくさん出ていたり、長期間出ているのは理由があるのか?
  • 定時で帰ることのできる職場を教えてください  など

以上のとおり失業給付の世界はとても複雑で知らないことばかりでした。(また人生で初めてハローワークに行って感じたこともあります)

次の仕事を決める前に会社を辞めるパターンのサイドFIRE希望者にとっては事前にハローワークのHPなどでよく調べておくことをお勧めします。

ではまた!

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