私が生命保険(終身保険)を解約しなかった理由

その他

こんにちは、50歳で早期退職し自由人になった「ゆるっとFIRE50」です。

以前の記事では20年以上加入していた医療保険を50歳で解約したことを紹介しました。

今回はそれと同時に見直しを検討した結果、解約しなかった生命保険(終身保険)について自分の考えを含めてご紹介します。

特に実際の払込が長くなっている中年の方の参考になれば幸いです。

20年以上前に始めた終身保険の内容について

私が加入していたのは「有期払込終身保険」というタイプです。

こちらも解約した医療保険と同様に20年以上前、20代後半に加入しました。

当時流行り始めていた外資系保険会社のもので内容は以下のとおり。

  • 保険料 : 年間約17万円(固定)、60歳で払い込み完了(34年間合計で約579万円)
  • 死亡保障: 終身で1500万円
  • 解約返戻金:50歳で約455万円、60歳で約764万円、70歳で約975万円、80歳で約1184万円と払込が完了したあとも増えていく

今回見直しをした段階では、累積払込保険料(約409万円)>解約返戻金(約455万円)となっていました。

掛捨てタイプ以外の生命保険は基本的に不要?

私がよく情報収集している両学長リベ大YouTubeをはじめ、最近多くの方が「生命保険が必要なのは(資産形成期において)死亡により遺族の生活が困難になる場合だけ。しかも“掛捨てタイプ”の保険だけである」と発信されています。

また「貯蓄的な要素のある生命保険は解約返戻金が払込保険料よりも少なくても(損をしてでも)今すぐ解約して、掛捨て保険に変更+返戻金と残った予算で自ら金融投資すべき」との意見もあります。

第7回 【要らない保険】本当に必要な生命保険はこれだけ【お金の勉強 初級編】

経済性の面では確かに保険と投資は「混ぜるな危険!」という両学長の言いたいことは分かります。

しかし払込完了まで10年しかない私のようなケースでも本当にそうなのかな?というのがどうしても引っ掛かってしまいました。(しかも上述のとおり60歳以降は寝ているだけで解約返戻金がどんどん増えていきます)

そこでもう一度頭を整理する意味でも、暫くは解約しない場合と今すぐ解約する場合について自分のケースで比較することにしました。

50歳の終身保険「①70歳まで解約しない vs ②今すぐ解約する」

①と②を極力公平に比較する上で決めた前提条件は以下のとおり。

期間

比較期間は51歳から70歳までとしました。理由としては、70歳を過ぎてまでリターンを期待する投資をし続ける必要はあるだろうか、頭の回転的にも管理できないのではないかと考えたからです。

死亡保証

①にだけ1500万円の死亡保障が70歳まで残るのは不平等なので、②は終身保険解約後に同額保証の20年分の掛捨て保険に加入することにしました。なお掛捨て保険は保険料が比較的安いメットライフ生命のスーパー割引定期保険(20年更新タイプ)とし、保険料もHP上で試算しました。(年約9万円)

コスト

比較期間中に追加で支払うコストをあえて両者同じにしました。

①60歳までの終身保険料(年約17万円)、61歳からの積立投資(年約9万円)※この積立投資はコストを合わせるためです

②60歳までは掛捨て保険(年約9万円)+積立投資(年8万円)、61歳以降は掛捨て保険料(年約9万円)※なお51歳で解約返戻金455万円を一括投資します

投資利回り

今後行う投資の利回りは5%として試算し、念のため3%バージョンも検討(複利)

リターン受け取り時の税金

解約返戻金:一時所得として{(解約返戻金-保険料総額)-50万円}÷2の金額に累進税率が掛かります(参照)。70歳時点での年金、配当所得なども考慮して所得税20%+住民税10%で30%と仮置きしました。

投資運用益:分離課税を適用させて20%としました。

予想リターンとしては「②今すぐ解約」が有利、でも・・・

①と②のリターン、税金、手取りは以下のとおりです。

①70歳で解約②今すぐ解約
リターン70歳時の解約返戻金 :975万円
61歳~70歳積立投資分:121万円
合計 1,096万円
51歳時の一括投資分 :1,209万円
51歳~60歳積立投資分: 162万円
合計 1,371万円
税金解約返戻金分:52万円
積立投資分 : 5万円
合計 57万円
一括投資分 :151万円
積立投資分 : 17万円
合計 168万円
手取り1,039万円1,203万円

なお利回り3%とすると手取りは①1,029万円 vs ②861万円と逆転します。

シミュレーション結果を眺めてみた感想は・・・

  • やはりすぐ解約する②のほうが上になるのか、でも利回り5%でも意外と大きな差にならないなあ
  • 投資によるリターンが大きいと意外と税金の支払いが大きくなるなあ(100万円以上)
  • 70歳で解約する①はほぼノーリスク、ミドルリターンかな・・・でも多額の解約返戻金を受け取ると他の所得にも掛かる累進税率や国保保険料などにも多少影響するなあ
  • ②の場合は万が一70歳時点で暴落していたら70歳以降に株価が戻るまで待たないといけないかな(高齢での投資は50歳から始めたつみたてNISAだけで十分かも)
  • ただ②は70歳になる前に大きな利益が出ていれば利確するという作戦も可能かな(利確する勇気があればだけど)

いろいろ悩んだ挙句、今は解約しないことにしました

リターンだけ考えれば②ですが、今は解約しないことで「ノーリスク商品」が手元に一つあるほうがよいと考えることにしました。

年齢、他の所得の有無、資産全体におけるリスク商品の割合などを総合的に考慮した結果です。

30代、在職中、資産形成期であれば②を選んだでしょうね。

本当はもっと複雑な選択になりますが・・・

お気づきのとおり、上の検証はあえて条件を揃えるために現実的ではない行為が含まれています。

①での60歳以降の積立投資はほぼ意味ないですし(実際にはしない)、②についてもFIREした私が50歳以降あえて(掛捨て)生命保険に加入する必要もないかもしれません。(死亡保障が片方にだけある場合の比較の仕方が私には分かりませんでした)

とはいえ、これまで支払った保険料はサンクコストなので無視しこれからの10年間の保険料(約170万円)で70歳時に約975万円のリターンを受け取るという単純・強引なシミュレーションでもIRRは1.85%と手堅い債券のような利回り?はあるので良しとしました。(死亡時には1500万円という大きなリターンもキープできますし)

また解約もその時の状況に合わせて例えば80歳くらいまで延ばすかもしれません。(利率の良い預金のような感覚で放置)

今回私は上述のような判断をしましたが正解はないと思っています。(ファイナンシャルプランニングの目的は1円でも増やすことだけではないですし)

皆さんもご自身やご家族の状況や投資の目的などをよく考えて生命保険の検討をされることをお勧めします。

ではまた!

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