こんにちは、50歳で早期退職し自由人になった「ゆるっとFIRE50」です。
今回は早期退職を機に401KをiDeCoに移管した話、新たにiDeCoの積立を開始した話を中心に、早期退職者におけるiDeCo受け取りの注意点についても私の経験などを含めてご紹介します。
FIRE、早期退職を目指される方には役立つ情報が含まれていますので是非ご一読ください。
401KからiDeCoへの移管は資産見直しの良いチャンス
早期退職に伴って企業型確定拠出年金(企業型DC、いわゆる日本版401Kの企業型)の加入資格を失います。
転職する場合は転職先に持ち運ぶことはできますが、私の場合とりあえず転職先はありませんでしたので半年以内に個人型DC(iDeCo)に移管しなければなりませんでした。
退職後1か月くらいしてNRP(日本レコードキーピング・ネットワーク(株)、個人別記録管理を担っている会社)というところから送られてきた情報をもとに今までに投資していた資産を移管しつつ加入者または運用指図者になるということですが、お恥ずかしい話「そもそもiDeCoって何だっけ?」というところから色々とネットで情報収集しました。(ここで両学長のYouTubeに出会いました!2020年5月です)
ちなみに2007年に会社で企業型DCが始まった時は「何となくこんな感じでいいや」の感覚で商品や掛け金を決めてしまい、年に一度送られてくる運用実績もざっとしか目を通していませんでした。ちなみに加入していた商品は「ろうきん確定拠出型年金定期預金(スーパー型)」と「大和住銀DC年金設計ファンド50」で、それを40%:60%の割合にした非常に低リスクな運用をしていました。
iDeCoに移管するまでの約13年で拠出金累計510万円に対する評価損益は+166万円(約32.5%増)と上昇相場の中ではかなり控えめな結果。退職後に改めて投資の勉強をしてみて、若い頃に定期預金を選んだのは堅すぎだったと反省しました・・・(逆に早期退職を機会に見直せてよかった)
金融機関、商品選びは慎重に
iDeCoには様々なメリットがありますがデメリットとして言われている60歳まで引き落としができない点があります。しかし私には60歳までの10年間で取り崩しが必要になることはありませんので特に問題ありません。逆に退職時50歳の私にとっては逆にあと10年間しか積立できません。また退職して給与がなくなりましたので掛け金が所得控除されるメリットもほぼなくなりました。
一方これまで運用してきた676万円についてはどの商品に移管するかが重要になります。移管というのは積立のドルコスト平均法とは真逆で、676万円という大金を移管月というタイミングで一括投資するようなものになるからです。
私が移管先や商品について検討を始めた2020年5月頃はコロナショックから反転して国内外ともに株価は20%くらい戻していましたが、コロナ感染は悪化しており二番底が来るのではないかとも言われていました。
個人的には「もし二番底が来たとしても10年あれば必ず上回るはずだから、移管分も積立分も米国株式一択でいこう!最悪でも受け取りを70歳まで延ばせば20年あるし。(注:今後75歳までに変更されますね)」と考えました。
私の場合はあくまでも余剰資金の投資としてiDeCoを活用するのでリスクを取りましたが、一般的に50歳から“老後資金の形成”のためにiDeCoに加入するならもう少しリスクを下げたほうがよいでしょうね。
さて商品選びの第一候補としては「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)買付手数料なし、管理費用0.0968%」を考えましたが、何と楽天証券ではiDeCo商品として取り扱っていないんですよね(涙)。
このためにSBI証券の口座を作ろうかとも思いましたが、時間もなかったので楽天経済圏のメリット(キャンペーン)を考慮して第二候補の「楽天・全米株式インデックス・ファンド 買付手数料なし、管理費用0.162%」に決めました。
積立については私は国民年金の第1号被保険者になったので掛け金の月額上限が68,000円(私は国民年金の付加保険料を払っているので400円引いた67,600円まで)となります。ただ最終的には特に大きな意味はありませんが掛け金は満額にせずに月50,000円(年60万円)でスタートしました。
ここで注意点が3つ。
投資の基本ですが間違っても銀行や古いタイプの証券会社でiDeCoをスタートしてはいけません。iDeCoの場合はどこの金融機関で取り扱っている商品も金融庁が許可している比較的安全な商品だけですが、金融機関によっては皆さんが欲しいような低コストの優良商品が選べない可能性がありますので、SBI証券や楽天証券などのネット証券会社を選ぶのがよいでしょう。(しかも金融機関の変更は移管コストの面でも無駄)
(参考:iDeCoナビ 運用管理費用(信託報酬)ランキング)
またiDeCo特有の手数料(口座管理料)にも注意が必要です。加入時のコストはどの金融機関でも同じですが、積立するにしても積立せずに指図だけするにしても毎月掛かる費用などは金融機関によって結構違います。(171円~611円)
(参考:iDeCoナビ 手数料(口座管理料)比較)
さらに毎月の積立金額に関しても、月額171円以上は手数料が掛かるということはあまりにも少額のiDeCo積立は手数料負けする可能性がある点にも注意が必要です。(月5000円の積立で171円を引かれると-3.42%からのスタートですので・・・)もちろん商品選びも手数料負けしないように気を付けないといけませんね。
早期退職者のiDeCoの出口戦略は?15年ルールとは?
iDeCoのメリットには前述の「掛け金が所得控除される」以外に「運用益が非課税になる」という点ともう一つメリットがあります。
それは「受け取り時に退職所得控除または公的年金等控除の対象になる」という点です。
しかし色々と調べると、この3つ目のメリットは気を付けないといけないことに気付きました。
特にiDeCoを一時金として受け取る場合には、別途会社から貰う退職金とiDeCoを「いつ貰うのか」「いくらなのか」によってメリットが大きく変わるという点です。(FIREを目指される方は厚生年金もかなり多いのでiDecoを年金として受け取ると公的年金等控除を超えてしまい節税できませんね)
詳細は割愛しますが、簡単にいうと例えば退職金もiDeCoも同時に60歳で受け取るとすると合計金額が退職所得控除の枠を超えてしまった場合には超過分には控除のメリットがなくなるということです(つまり課税されるということ)。
このあたりは非常に複雑で個人ごとにケースバイケースとなります。一応金融庁のサイト(又は別ページ)にもちらっと書かれていますがお役所言葉を一人で読み解くのは難しいですよね。
またiDeCoの受け取りタイミングによる税金の違いについて解説しているサイトも少しはあるのですが、FIREというか早期退職に対応するケース(会社からの退職金が先で、iDeCoの受け取りが後になる)ではなく、iDeCoを60歳で受け取って65歳定年で会社から退職金を貰うケースなどばかり。
多分何を言っているか分からない方も多いと思うのですが・・・
退職所得控除のルールには「5年ルール」というのがあって退職所得を得た前年以前4年間に別の退職所得がない場合には退職所得控除の枠がリセットされます。そして更にややこしいのはiDeCo(一時金)という退職所得を後に貰う場合は「15年ルール(14年間退職所得がないとリセット)」になってしまうことです。
よって私は50歳で会社から退職一時金を受け取ったので15年後の65歳以降にiDeCoを一時金で受け取ればよほど商品が爆上がりしていない限りこちらも非課税となることになります。
このルールの解釈についてはちょっと自信がなかったのですが、先日何と完璧に答えてくれたのが両学長のリベ大ch.でした!(さすが学長!でもあと1年早く知りたかった!)
若い方は今後税制が大きく変わる可能性もあるので慌ててiDeCoの出口戦略について知る必要はないと思いますが、40代以降の方は是非ご覧になってみてはどうでしょう。
(後日メモ:2022年4月からこのルールが5年延長されました!詳しくは以下の記事を参照ください)
<参考:退職所得控除の計算方法>
勤続年数(=A) | 退職所得控除額 |
20年以下 | 40万円×A (80万円に満たない場合には80万円) |
20年超 | 800万円+70万円×(A-20年) |
ちなみに私の場合は勤続28年だったので800万円+70万円×(28年-20年)=1360万円が退職所得控除上限で、退職一時金として早期退職時に受け取った金額はこの範囲内でしたので「非課税」でした。
さて今回はiDeCoについて中年FIREおじさんの実体験を中心にご紹介しました。
ちなみに私のiDeCoの2021年2021年7月末時点で損益は+38.0%と順調です。
iDeCoについては商品選びだけでなく上記のようないくつもの注意点がありますし、今後も制度変更などがあるかもしれません。また面白いネタがありましたらご紹介したいと思います。
ではまた!
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