はじめての投資で大損!(早期退職までの11年間の投資成績)

投資

こんにちは、50歳で早期退職し自由人になった「ゆるっとFIRE50」です。

FIRE(Financial Independence, Retire Early)の達成スピードを上げるためには投資などの「増やす力」が後押ししてくれます。(もちろん「増やす力」が正しく発揮された場合ですが)

私が楽天証券に口座を開設し投資を始めたのは2008年の夏です。今から13年前39歳の頃でした。そうです、まさにリーマンショックが起きる直前に投資の世界に足を踏み入れたのです。

そこから早期退職するまでの11年半、サラリーマンとして忙しい日々を過ごしながら試行錯誤で株式を中心に“ゆるっと”投資をしてきましたので、今回はその頃のことを簡単にご紹介します。(なお文中に出てくる金額はすべて税引き前の数字です)

なぜ投資に興味を持ったのか?

私はサラリーマンとして高収入をいただいていたましたが、物欲もほとんどないため給料の多くを何も考えずに銀行に貯金していました(正確に言うと振込口座からほとんど引き出さないので自動的に銀行預金になっていたというだけ)。

しかし30代後半ビジネス本を読み漁るようになり、本屋でよく新作を物色していたのですが、同じビジネスコーナーに置いてあるお金や投資に関する本も目に入るようになってきました。とはいえ「まあ変なものに手を出すと大損するだけだ」と読むことさえ避けていました。

しかし2008年始め、当時ハマっていた勝間和代さんが書いている『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践(光文社新書)』という本の存在を知り、「えっ?俺は銀行にしか預けてないけどマズいの?」と焦って購入したのを覚えています。(その直前に有名なロバート・キヨサキ著『金持ち父さん 貧乏父さん(筑摩書房)』も読みましたが正直なところ言いたいことがすっと入って来ませんでした)

えっ?俺は銀行にしか預けてないけどマズいの?

そこには今まで知らなかった「S&P500」「インデックス投資」「REIT」「コモディティ」といった言葉や、聞いたことはあるが中身を理解していなかった「投資信託」「国債」などの説明が網羅的に分かりやすく書かれていました。また私を含めて日本人が外国人と比べてどれほど金融リテラシーが低いかということを知りショックを受けました。


それから株式投資関連の本を手当たり次第に読みまくりました。(内藤忍さんからジムクレイマーまで、ファンダメンタルズ分析からテクニカル分析まで)

同時に不動産投資にも興味を持ち、本を買って勉強するなどかなり頭でっかちな状態でした。

しかも私の周りには誰もこのような投資関連の話をする人がいなかったので完全に一人で暴走?妄想?している感じ。

しかし本を読めば読むほど多くの本で勧められているインデックス投資の予想利回りが小さく、そして長期投資そのものがまどろっこしく見えてきました。(実はこの時点で5000万円以上の預金があったので「長期積立なんてやっていられるか」と変な強気が生まれ始めていました(汗))

そして悪魔の囁きに乗ってしまうのです・・・

素人が欲張って、いきなりの大損!

2008年夏、楽天証券の口座開設の申し込みを進めていると気になる商品の広告がどんどん目に入るようになりました。

その中で私に“見て!見て!”と訴えてくるのが

「国際金融公社トルコリラ利付債券15.90% 応募締め切り間近!」の広告。

えー!年15.9%の利息!

債券って一般的にリスクが低いといわれているよな・・・

為替のリスクはあるとしても過去の変動を見ると下がっても20%くらいのはず・・・

償還まで3.5年、変なことが起きなければ持ちこたえてくれるだろう。

それなりの金額の利息がもらえないと意味ないから500万くらい投資してみるか!

今までこんなにおいしいお金の増やし方があるのを知らなかった。

俺が無知だっただけでお金持ちはこうやってお金を増やすんだな。

口座開設とともに慌てて購入ボタンをクリックしていました・・・

購入して約1か月でトルコリラが40%暴落!何が起きたのか分からず、誰にも相談できず・・・

トルコリラは必ず戻ってくるよ、いや戻ってきてくれ!

反転のお祈りも空しくその後もずるずると下落し続け、2年半後の償還時には半値以下に

投資額480万円に対して200万円しか償還されない(6割減)という散々たる結果となりました。

高すぎる授業料、このほろ苦い投資デビューで得た教訓は二つ・・・

  • もっと勉強しないと海外投資は危ない
  • 高利率などおいしい話には何か隠れている
  • 自分しか知らない話なんてない、人を出し抜くなんて無理

1週間で90万円の利益!はじめての株購入でまさかのラッキーが!

2008年秋、トルコリラ暴落で傷心している最中にあのリーマンショックが起きました。

国内外の株価も大暴落!連日連夜この話題でニュースは持ち切りでしたが、11月頭には逆に底を打ったのではというコメントも出始めていました。(終わってみれば日経平均は10月28日が底値で9月から約30%下落)

偶然新聞で取り上げられていた任天堂の株価を調べると3か月で半値以下になっていました。

“業績もそんなに悪くないからこれ以上落ち続けることはないだろう、今が買いではないか” と閃いて(!?)、人生初めての株式購入。(最低単位100株を約240万円で衝動買い!)

本当に幸運なことにほぼ底値で購入することができ、翌日から連日ぐんぐんと高騰!

“いくら何でもリーマンショック前の株価に戻ることはないだろうし、油断すると下がってしまう” と怖くなってきて、なんと6日後に売却。(これも野生の勘!?)

奇跡的にほぼベストタイミングで売り抜けることができ、たった6日間で約90万円(+38%)の利益になりました!!

さすがにこの時は興奮しましたね。とはいえ周りに株の話ができる人はいないので、一人でこの夢のような話に酔いしれていました。

1週間で給料の2か月分以上ってマジかよ

ビギナーズラックだということは自覚していましたが、この時に得られた教訓は・・・

  • 株は上手くやれば短期間でも10%以上の利益が出る
  • 株式投資をしていなければ=銀行にお金を置いておくだけでは何も生まれなかった
  • 株は大きく下がった時がチャンス

その後10年間は「我流」で日本株投資で着実なプラスに

その後どうしたら第二の任天堂を見つけられるかを考えていました。

ファンダメンタルズを確認したとしても最新情報を常に入手することはできないし、プロの投資家のほうが早く知るに違いない。

業績がよい会社でも株価は常に上がり続けるわけではなく、上がったり下がったりを繰り返しているなあ。

かといって いつが底なのかを予測することなんて無理。

何か良い指標ないかな・・・

そこで目を付けたのがMACDです。(テクニカル分析の基本ですが)

「MACDが綺麗に上向きにクロスしている株を買えば、上昇の波に乗れるのではないか」というのが私の仮説でした。

さらに波のサイズにも注目しました。つまり確実に上昇したとしても2~3%の波を繰り返すような株であれば自ずとリターンは小さくなってしまいます。

そこで第2の条件として過去の株価を見て10%程度は上下動がある株に絞りました。

その頃の情報の入手方法は株マップ.comというサイトを土日にたまに見る程度で、そこのテクニカルシグナルのお勧め株のMACDや過去の上下動を見て上昇の波に乗れそうな株を探してみました。

トルコリラのような大きな失敗を繰り返したくありませんでしたが、リターン金額として10万円くらいは目指したいと考え、過去の波のサイズを見ながら1つの株の購入金額を100~200万円と決めました。

売却のポリシーとしては、リターン目標(10%上昇)まで上がったら基本的には売却(欲張りすぎない)。上昇途中で落ちてきそうな場合には3%程度でも利確することもありました(とりあえず勝って終わる)。

もちろん中には購入直後にいきなり下がってしまうケースもありました。当初は中途半端な損切をしていましたが、途中からは完全ホールド(塩漬け?)して、最低でもプラスになってから売却しました。

ちなみによく売買していた株としては、信越化学、パナソニック、小松製作所、セブン&アイ、ファナック、ユニ・チャーム、ファーストリテイリング、花王、日本マクドナルドなど。(同じ株を「下がったら買って上がったら売って」を繰り返すこともありました)

結果的に、最初の任天堂も含めてサラリーマン時代11年間の株成績としては、

  • 延べ約1.2億円分(約100回)の投資
  • 損益の合計はプラス約800万円(損込みで平均6%強のリターン)
  • 一つ一つの株の保有期間は、短いもので1日、長いもので7年(中央値36日)
  • 損切したケースは投資2年目以降は数回のみ
  • 各年としての保有株は最大800万円分程度(多くても5,6社くらい)
  • 配当は年平均10万円程度(これ以外に持株会の自社株配当がありましたが自動で再投資されていたので実感はゼロ)

なお2008年末から2019年末の11年で日経平均株価は8,747.17円から23,656.62円と2.7倍(170%アップ、年利9.47%)になっています。

リーマンショック直後からコロナショック直前という一番おいしい期間ですので当たり前ですね。

私の11年でプラス800万円という成績については

「毎年800万円を一括投資し一年で9.47%の利益が出たら利確するサイクルを11年続けた場合(800×9.47%×11年=833万)」

とほぼ同じですので、素人が大した手間もかけずに我流でやったとしてはそれほど悪いほうではないと思います。(もちろん800万円を11年寝かしていれば計算上は複利効果であと500万円以上増えていましたが・・・)

以上が私のサラリーマン時代の投資成績でした。

プラス金額から見ても私が投資という「増やす力」をベースにFIREできたわけではないということがご理解いただけたと思います。

しかしトルコリラ暴落という高い“授業料”を払いながらもいくつかの教訓を得たり、自分の投資に対するリスク耐性を知ることができたりという意味では退職後の資産投資にとって有意義だったと思います。(退職後の投資に関するエピソードや成績についてはまたの機会に紹介しますね)

FIREを目指されている方には釈迦に説法ですが、是非皆さんも自分の投資の目的は何か、自分にとっての適正リスクはどのくらいかなどを意識しながら投資経験を積まれてはいかがでしょうか。

ではまた!

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